エリオット波動2:インパルスでは推進波の中のインパルスについて説明しました。
本章ではインパルスと同じ推進波である『ダイアゴナル』について説明します。
ダイアゴナルとは・・・
ダイアゴナルは5波で形成される推進波の1つであり、1階層下の波は3-3-3-3-3または5-3-5-3-5-のフラクタル構造をとるとされます。(フラクタル構造については導入編で説明しています)
また、インパルスの絶対的なルールである『4波が1波の値幅領域に割り込むことはない』というルールが適用されず、ウェッジ型のチャートパターンとなるのが特徴的です。
ダイアゴナルは2つある!
ダイアゴナルには1つ上の階層のどの位置の波で発生するかで呼び方とその後の動きが変わってきます。それでは説明していきます!
ダイアゴナル①:エンディングダイアゴナル
まず1つめのダイアゴナルは『エンディングダイアゴナル』と呼ばれるものです。名前の通り、1つ上の階層の最後の波に発生するダイアゴナルとなります。
具体的には以下の場所で発生します。
上昇トレンドの場合は下図のようなイメージです。
エンディングダイアゴナルのパターン完成はトレンド転換を示唆しており、完成後『急激な逆の値動き』が発生することが良くあります。ですのでエンディングダイアゴナルのパターンを発見し5波動が構成されたのを確認したら、逆方向にエントリーすることが定石です。
ダイアゴナル②:リーディングダイアゴナル
2つめのダイアゴナルは『リーデングダイアゴナル』と呼ばれるものです。エンディングダイアゴナルは1つ上の階層の最後の波に出現するのに対して、リーディングダイアゴナルは1つ上の階層の最初の波に発生するダイアゴナルとなります。
上昇トレンドの場合は下図のようなイメージです。
リーディングダイアゴナルのパターン完成はトレンド継続を示唆しており、完成後もトレンド継続となることが良くあります。エンディングダイアゴナルの完成後のダイナミックな動きはないものの、トレンド継続となるため、順張りでエントリーしていくことが定石です。
実際のチャートで確認してみよう!
まずはエンディングダイアゴナル
インパルスの章で紹介したUSDJPYペアのチャート上にエンディングダイアゴナルが発生しています。週足チャートのインパルスの3波の5波(3波が延長したため3波がさらに5波動構成となりました。)がエンディングダイアゴナルとなっています。1階層下の日足をみるとエンディングダイアゴナルが形成されていることがはっきりとわかると思います。エンディングダイアゴナル完成後は急速な逆方向の動きが発生したことも確認できますね。
次はリーディングダイアゴナルです。
同じくインパルスの章で紹介したUSDJPYペアのチャート上にリーディングダイアゴナルが発生しています。週足チャートのインパルスの5波を、1階層下の日足をみると日足1波がリーディングダイアゴナルとなっていることがはっきりとわかると思います。リーディングダイアゴナル完成後は調整波が形成されその後大きな日足3波が発生しました。
ダイアゴナルのトレード機会は?
ダイアゴナルのトレード機会は何といってもエンディングダイアゴナルが完成した後の急激な反転の値動きを狙ったトレードが一番効率よく値幅が取れるとおもいます。
エンディングダイアゴナルもリーディングダイアゴナルもダイアゴナル自体をトレードするのではなく、完成後の値動きをトレードすることが大事だと思います。
エリオット波動3:ダイアゴナルは以上になります!
次章では5つの波形パターンのジグザクについて説明していきます。よろしくお願いします。
参考文献
エリオット波動研究
エリオット波動入門